雑学Vol.10「美白」vs「薬剤師」

トレチノイン・ハイドロキノン療法について解説

こんにちは、ケミスト黒岩です。 今日のテーマは美白です。美白の中でも、王道といえるトレチノイン・ハイドロキノン療法についてご紹介します。

トレチノインとハイドロキノンの詳しい説明はオオサカ堂のサイトに掲載されているので、そちらをぜひご覧ください。今回は商品説明以外のちょっとマニアックな部分をご紹介します。

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簡単に説明すると、トレチノインで肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促して、シミやソバカスの排出を早めます。そして、ハイドロキノンでメラニン色素の産生を抑えることで、今あるシミ・ソバカスを外に出しながら、新たなシミ・ソバカスを作らせないという治療法です。

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最近ではハイドロキノンが配合された化粧品が市販されていますが、ハイドロキノンは皮膚へ浸透しづらい性質をもつので、トレチノインとの組み合わせが非常に大切です。また、トレチノインはターンオーバーを促進するだけでなく、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促すので、色素沈着以外の小じわやハリを改善したい方にもオススメです。

さて、そんな肌のさまざまな悩みを解消してくれるトレチノイン・ハイドロキノン療法ですが、大きな効果がある反面、副作用など注意が必要なこともあります。

まず、トレチノインとハイドロキノンの濃度です。これは基本的に低濃度から徐々に高濃度へ上げていくのが良いですが、初回は特に皮膚科専門医とよく相談してご自身に適した薬剤濃度をお選びください。
肌がヒリヒリとしみたり、赤くなったりしたりしますが、これは薬が効いているサインです。適度な範囲であれば問題ありません。

そして、塗り方です。トレチノインはピンポイントで、ハイドロキノンは少し広めに塗ります。

1、洗顔して、肌を清潔な状態にします。
2、普段お使いになっている低刺激の化粧水で肌を整えます。
3、トレチノンをシミの部分からはみ出さないようにピンポイントで塗っていきます。(綿棒を使うと良いでしょう。)
4、トレチノインが乾くのを待ってから、ハイドロキノンをシミより少しはみ出して、あるいは顔全体に塗ります。
5、朝はサンスクリーン(日焼け止め)、夜は保湿用クリームを、トレチノイン・ハイドロキノンの上から塗ります。

トレチノイン・ハイドロキノンは、朝・夜1日2回ずつ塗りましょう。刺激が強すぎる場合は、トレチノインを1日1回に減らすか、一旦休止してください。トレチノイン休止後も、赤みが消えるまで(最低4週間)はハイドロキノンの塗布は継続してください。

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治療期間としては、トレチノイン・ハイドロキノンを色素沈着がなくなるまで併用します。だいたい2~6週間(最大8週間)が目安です。
その後、ハイドロキノンのみを最低4週間、炎症がなくなるまで使用します。
この一連の流れを1クールとして、1~2ヶ月休薬の後、必要に応じて2クール目の治療を実施してください。

最後に注意事項です。
トレチノインには動物実験で催奇形性が確認されていますので、妊娠中や妊娠する可能性のある女性は使用しないでください。
トレチノイン・ハイドロキノン療法では、乾燥と紫外線が大敵になります。保湿力の高い化粧水やクリーム、日中はサンスクリーン(日焼け止め)をこまめに塗りなおしましょう。
トレチノインとハイドロキノンは、熱と光に弱いので、それぞれ説明書にある保管方法を厳守してください。一般的には、冷蔵庫内で凍らせずに保管しておくのがオススメです。

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Q.ハイドロキノンの12倍の美白成分があると聞いたのですが、ハイドロキノンよりも優れているのでしょうか?

A.現時点では、ハイドロキノンが最も臨床的に効果がある治療薬です。
美白力という曖昧な言葉がポイントです。これは、同用量のハイドロキノンと比較して、チロシナーゼ酵素の抑制率が86%(ハイドロキノンは7%)と12倍であることに由来します。
では、実際に使われている濃度を見てみましょう。
ハイドロキノンは、1~4%ほどの濃度で使われるのに対し、この医療機関専売コスメに配合されている美白成分はわずか0.01%です。0.01%を12倍にしても、0.12%にしかなりません。これでは、ハイドロキノン1%に対しても、遠く及ばない美白力であることがわかります。

また、この試験データはあくまでチロシナーゼ酵素の抑制率を比較したものです。ハイドロキノンにはチロシナーゼ酵素を抑える以外にも、メラニン色素を生成するメラノサイト(色素細胞)そのものへの働きもあるため、チロシナーゼ酵素の抑制率がそのまま最終的な美白力に相関するわけではないのです。

※薬剤の選択や使用方法、治療期間などは、症状により異なります。このページでご紹介している治療方法は一般的な内容ですので、必ず皮膚科専門医の指導に従ってください。

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