★勝負時★に効く処方箋

あの日あの時あの場所で。

みなさん!こんにちは。薬剤師・ケミスト黒岩です。お盆も過ぎて“夏”もいよいよ終盤♪実はこの季節、毎年大きな感動を我々に与えてくれる“高校野球”しかり、今の時期を制した者が勝利するとされる“受験勉強”しかり、さまざまな“勝負時”が巷(ちまた)にあふれるタイミングでもあるのです。今回は、この人生のターニングポイントともいえる“勝負時”のメカニズム、そしてその勝利法を“薬学的”にご紹介します!

1時限
大事なプレゼン!
魔の緊張スパイラルに陥る前に♪
ドキドキ、ドキドキ…。ビジネスマンにとって、一つの“勝負時”であるプレゼンテーション。その時が近づくにつれて、あなたの心は徐々に緊張状態に入っていきます。よせば良いのに「やばい、こんな状態では力を発揮できない!」と、さらに思い詰めてますます緊張してしまう…。そんな負のスパイラルから抜け出すためには、一時的に心臓を休めてあげて、このドキドキを緩和させてあげることが大切です。
 
そして、それが“薬学的”には可能なのです。
 
心臓には“β受容体”という特定部位があります。人が興奮した際に放出される神経伝達物質アドレナリンが、この受容体を刺激すると、心臓はどんどん活発になっていき、心拍出量(1分間に心臓が拍出する血液の量)が増加。血圧もどんどん上昇してきます。いわゆる“心臓ドキドキ”の原因がこれです。
 
そして、このメカニズムを利用し、「このβ受容体を遮断してしまえば、ドキドキしなくなるよ!」というのが、β遮断薬というお薬になります。受容体を遮断することにより、交感神経刺激が心筋に伝わるのを抑制し、ドキドキを抑えることができるというわけです。
 
このほか、神経の緊張をしずめるカンゾウ、神経をリラックスさせるトケイソウ、鎮静作用のあるチョウトウコウ、神経の興奮・緊張をやわらげるホップなどの成分も有効とされています。また、緊張による疲労や倦怠(けんたい)感を緩和するニンジンを配合した市販薬アガラン錠もまた、あがり症に有効です。あがり症対策ゆえにアガラン。そのまんまのネーミングですね♪
 
ちなみに“勝負時”の前夜、緊張して眠れない…。そんな経験、あなたもありませんか?これは、いわゆるアドレナリン(エピネフリン)が分泌されて、脳が興奮状態になっているため、入眠できない状態です。
 
こうした一時的な不眠症状の緩和には、抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミンが良いでしょう。脳の覚醒に関与しているヒスタミンをブロックすることで、非覚醒(睡眠)状態へ移行するのを助けてくれます。
 
※上記で登場した“β遮断薬”などについては、このあとの「放課後」のコーナーで関連商品をご紹介しています。
 
  2時限目に続く…
1時限のまとめ
β受容体の“遮断”で、ドキドキを抑えるべし♪ byケミスト黒岩

2時限目は… 『一発勝負!トーナメント戦の挑み方♪ をご紹介します!』

この記事をシェアする

ページ上部へ戻る