コロナ禍で帯状疱疹が増加!?
最近、帯状疱疹の患者さんが増えているというニュースがありました。
今回は、帯状疱疹とコロナ禍やワクチンとの関係について解説します。
帯状疱疹とは
「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」は、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点(はんてん)と小さな水ぶくれが帯状(おびじょう)に現れる病気です。
「水痘・帯状疱疹ウイルス」により引き起こされ、初めて感染した時は「水疱瘡(みずぼうそう)」として発症します。
治療後も子供の時に水疱瘡にかかったことのある人であれば、ウイルスは体内の神経節に潜伏しています。
そのため、加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。
通常、50歳代以降に多く見られる病気ですが、コロナ禍で中高生や大学生など若い世代の患者さんが増えているそうです。
新型コロナワクチンの副反応
コロナ禍により帯状疱疹が増えている原因として、慣れない生活が続くことでストレスが溜まり免疫力が落ちていることや、コロナ発症により体力が落ちていることなどが考えられます。ほかの原因として、新型コロナワクチンによる副反応ではないかという指摘もあります。
新型コロナワクチン(ファイザー社及び武田/モデルナ社のワクチン)の主な副反応は「注射した部分の痛み」「発熱」「倦怠感」「頭痛」「筋肉や関節の痛み」「寒気」「下痢」などです。
厚生労働省の資料には「帯状疱疹」の記載はありませんが、新型コロナワクチン接種後に帯状疱疹の症状が出たという報告もあります。
スペインの論文「Cutaneous reactions after SARS‐COV‐2 vaccination: A cross‐sectional Spanish nationwide study of 405 cases」(SARS-CoV-2ワクチン接種後の皮膚反応:スペインの横断研究)によれば、ワクチン接種後に皮膚反応を起こした症例の中に水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化と思われる症例が10.1%認められたとあります。
帯状疱疹の治療
帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬をなるべく早く服用して、軽症のうちに早期治療することが基本です。
軽症・中等症のケースでは、ファムビル錠やバルトレックス錠といった飲み薬が処方されます。
重症例では点滴が使われ、びらんや潰瘍などがある場合は白色ワセリンなどの塗り薬で皮膚を保護します。
★処方例
ファムビル錠(ファムシクロビル)250mg
1回2錠 1日3回 毎食後 7日間
または
バルトレックス錠(バラシクロビル)500mg
1回2錠 1日3回 毎食後 7日間
そのほか新型コロナワクチンに関する情報
新型コロナワクチンによる副反応や、その副反応への対処方法などについては、厚生労働省のホームページに詳しくまとめられています。
ネットの情報に惑わされず、正しい情報を得るように心がけましょう。
新型コロナワクチンの副反応について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou.html
ファイザー社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html
武田/モデルナ社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_moderna.html
アストラゼネカ社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_astrazeneca.html