若い女性の梅毒感染が増加!
先日、朝日新聞で梅毒のニュースが掲載されました。
梅毒患者、増加の一途 若い女性の感染が増加
https://www.asahi.com/articles/ASL6V32VVL6VULBJ002.html
記事中にあります
“海外では1度の注射で済む薬が使え、世界的に標準治療となっている”は、
ベンザチンペニシリン筋注のことで、アメリカでは
Bicillin®という商品名で販売されています。
この薬を使えば、1回筋肉注射するだけで治療は終わります。ただし、この薬は日本ではありません。
日本ではどう治療しているか?
日本では筋注用のペニシリンがないため、ペニシリン製剤の飲み薬で対応しています。
▼処方例(第1期・第2期梅毒)
アモキシシリン 1回1000mg 1日3回
プロベネシド 1回500mg 1日3回
上記を2週間継続
梅毒は病期により、第1期~第4期がありますが、第3期・第4期は現在ではほとんどみられなくなりました。
興味深いのは、
プロベネシドを併用する点です。
プロベネシドは痛風の治療薬ですが、ペニシリン製剤の排泄を抑える働きがあるため、アモキシシリンの血液中濃度を高く維持するのに使われています。
こうした薬の違った側面をみるのもおもしろいですね。