雑学vol.17 「便秘」vs「薬剤師」続編

ライフスタイルから便秘と向き合う

こんにちは。薬剤師の鈴木です。本日のテーマは便秘です。雑学vol.8「便秘」vs「薬剤師」の続編としてお届けします。
皆が気になるうんちのお話です!


連載をお読みいただいている方の中には、和式便座でロダンスタイルをトライされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は便秘解消に役立つと思われるライフスタイルのポイントをテーマに掘り下げていきたいと思います!
ビフィズス菌や食物繊維を積極的に摂る!とか、適度な運動をする!とかは広く知られていると思いますが、意外と知られていないかもしれないポイントをお伝えできればと思います。
それではいってみましょう!

とにかく水分をとる
水分は尿にしか関わらないと思いがちかもしれませんが、意外なことに便は約7~8割が水分で出来ており、残りが食べ物の残りかすや腸内細菌の死骸などです。
つまり水分摂取が足りないと便はどんどん硬くなります。
うんちうんち
硬くなった便は、大腸がちゃんと蠕動運動をしてもなかなか送り出すことができず溜まってしまうのです。便のやわらかさを保つためにこまめな水分摂取を心がけてみてください。
特に夏場は汗で水分を失いやすいためより一層水分不足になりがちです。
また水分と言っても、カフェインを含む飲み物(コービーや緑茶など)利尿作用があるために体内の水分をかえって出しやすくする作用があるため注意が必要です。
一方、牛乳を飲むと便が緩くなることがあります。これは牛乳に含まれている乳糖という成分が関わっています。冷たい牛乳だとより起こりやすいようですが、人によっては下痢になることもあります。便秘解消のためには少し荒手な方法かもしれませんね。
朝ごはんを食べる
バランスの良い食事を摂ることは基本ですが、中でも朝食を食べることは便秘解消において重要です。
胃腸は通常、リラックスした状態(副交感神経優位な状態といいます)で活発に動きます。 すなわち夜間寝ているときに、胃腸はせっせと働いて食べ物を消化したり便を作ったりと朝に向けて活動しているのです。
そして迎えた翌朝に朝食をしっかりと食べると、胃腸に刺激が加わります。 この刺激が「排便していいよ~!」というサインになって、便意をもよおすのです。
一般的に排便が朝に起こりやすいといわれているのはこのためです。 朝食を抜いてしまうとこのサインが出ないため便秘になりがちです。
何かと時間のない朝でも食事はしっかり摂ったほうが良さそうですね。
十分な睡眠をとる
睡眠不足は便秘の原因になる可能性があります。
前項の話題にも関わりますが、胃腸は通常リラックスした状態(副交感神経優位な状態といいます)で活発に動きます。 睡眠時間が十分に取れないと胃腸の動きが活発化しないために消化が追い付かなくなってしまい便秘になるのです。

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また胃腸にいつまでも未消化の内容物がたまっていると、消化器官が休みなくそれらを消化しないといけなくなり疲弊してしまいます。毎日残業のハードワーカーと同じ感覚ですね。
つまり睡眠不足を続けると胃腸そのものが弱ってしまう可能性もあるわけなのです。
睡眠は記憶の定着や身体の休息のためのみならず、便秘解消のためにも大切ですね。
トイレを我慢しない
最後に、意外とあなどれないポイントです。トイレを我慢しないことです。
「大便は家のトイレでないと落ち着いてできない」とか、「外出先のトイレを使用するのは抵抗がある」なんていう方も意外と多いのではないでしょうか。 しかし要注意です。
排便という行為は「便意をもよおす」というところから始まるのですが、この便意というものは我慢することでだんだん鈍くなってきてしまうそうなのです。
家に帰るまで我慢しよう、とか今は忙しいから我慢しよう、とか何気ない理由で日ごろトイレを我慢してしまうと、便秘につながってしまうということです。
ウォシュレットなどで直接お尻を刺激しないと出せない、なんて方は便意が鈍っているサインかもしれません。
ぜひ自分の体のサインには我慢せず従ってみましょう!

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まとめ
いかがでしたか?こうしてみてみると、便秘解消のためのポイントではありますが便秘でなくても心がけたいような内容ですよね。改めて、人間の体のつくりはあらゆる行為と密接に結びついているのだなあと生命の神秘すら感じたのは私だけでしょうか。

最後にちょっと衝撃的な事実を……。
少し古いデータになりますが2010年に米国で発表された報告によると、慢性便秘の人とそうでない人を比べて、便秘の人は生存率が低いというのです。
便秘を放っておくと早死にしてしまう可能性があるなんて、思いもしませんよね!ビックリです。

たかが便秘と思わず、今日から始められるちょっとした心がけでスッキリ晴れ渡る快腸ライフを過ごしていきましょう!

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