薬剤師が最初に苦労すること
成分名or商品名?薬科大で学ぶのは成分名。
今日のぼやき
みなさんは、薬を購入する際、どこに注目していますか?私たち薬剤師は、薬の「成分名(有効成分)」を見ます。たとえば、有名な「ロキソニン」の場合、「ロキソニン」はあくまで商品名となり、成分名は「ロキソプロフェンナトリウム」となります。
薬剤師が社会人として働き始めて最初に苦労するのが、この「成分名」と「商品名」の紐(ひも)付け。というのも、薬科大学で勉強するのは専(もっぱ)ら「成分名」だからなのです。
今では、一般名処方(成分名での処方)もだいぶ広まりましたが、まだまだ「商品名」を記載されている処方箋が多いので、仕事では主に「商品名」を使うことになります。
さて、みなさんにはちょっと馴染(なじ)みの薄いこの「成分名」ですが、すこし調べただけで、とても面白いことに気付くはずです。某世界的大手のネットショップAをすこし覗(のぞ)いてみましょう…。
実は以下の2商品、同じ成分でありながら値段がまるで違います。
▼睡眠改善薬の「ドリエル」
○12錠入り1600円
1日2錠(ジフェンヒドラミン塩酸塩50mg)
→1日あたり267円
↓こちらも同じジフェンヒドラミン塩酸塩の医薬品。
▼「レスタミンコーワ糖衣錠」
○120錠入り800円
「ドリエル」と同じ飲み方で計算(1日5錠ジフェンヒドラミン塩酸塩50mg)
→1日あたり33円
成分が同じでありながら、なんと実に8倍も価格差のあることがわかります。ただし、これらはあくまで想定された効能・効果とは違う使い方になりますから、事前に医師・薬剤師へ相談するのがよいでしょう。
また、1錠あたりの有効成分含有量が違いますので、服用錠数が異なることにも注意が必要です。